ストラテジー(MSTR)株は100ドル台回復迫る展開となり、月曜日の終値は97.68ドルと5%上昇した。基礎資産であるビットコインは6万4000ドル近辺でほとんど動いていない。
MSTR株は2026年に入り約38%下落し、ビットコインの28%の下落を大きく上回る。しかし、MSTR株をカバーするほぼ全てのアナリストが依然として「強気な買い」と評価している。この乖離を説明する3つの要因があり、全ては「mNAV」と呼ばれるプレミアムに集約される。
MSTR株、ビットコインよりも大きく下落
まずは被害状況である。MSTR株は2026年にこれまで約38%下落した一方、資産の大部分を占めるビットコインは約28%の下落にとどまる。保有資産以上に株価の下落が大きい。
これは投資家が期待した動きの逆である。ストラテジーは「レバレッジ型ビットコイン」として設計され、相場上昇時はより値上がりが期待されてきた。従って、下落局面でビットコインに後れを取ることはブル派にとって難問となっている。ただし、MSTRはビットコインの値動きに頼らず回復できる可能性があり、その理由は3つある。
理由1:回復の余地があるプレミアム
回復の起点となるのが「mNAV」、株価を左右する指標である。MSTRの企業価値は、保有するビットコインの純資産価値に投資家が上乗せして支払うプレミアム(倍率)で決まる。このプレミアムはセンチメントが高まると膨らみ、悪化すると縮小する仕組み。
BREAKING: Strategy, $MSTR’s enterprise mNAV closed below 1 for the first time in history.
— Hedgeye (@Hedgeye) June 28, 2026
This means the market now values the company at less than the Bitcoin it holds. pic.twitter.com/J8b7kR2ysZ
現状、このプレミアムは大幅に縮小している。ストラテジーは現在84万447BTCを保有し、本日時点の価格で約540億ドルの価値を持つ。しかし購入総額はおよそ630億ドルで、約90億ドルの含み損が発生している。
かつてビットコイン価格の1.4倍に達したプレミアムは崩壊し、ここで計算方法が分かれる。普通株だけを算入した場合、mNAVは1を下回り約0.7となるため、1株あたりの価値は保有ビットコイン以下に陥っている。
一方、優先株や転換社債を含む計算では1.05前後となり、両方の数値が指標として引用される。
Saylor: MSTR Investors Should Hold for at Least Four Years, Preferably Seven to 10, and Be Prepared for Difficult Years
— Wu Blockchain (@WuBlockchain) August 17, 2026
Strategy Executive Chairman Michael Saylor said MSTR investors should have at least a four-year time horizon, with seven to 10 years preferable, and should be… pic.twitter.com/CH4w5vvR50
このディスカウントが回復余地である。センチメントが安定し、プレミアムが1.5近辺に戻れば、ビットコイン価格が変わらずとも株価は5割上昇する可能性がある。
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ビットコインが横ばいでもプレミアムはなぜ上昇するのか。 それは固定値ではなく「需要倍率」で構成されるためで、MSTRをレバレッジ型ビットコイン投資とみなす投資資金がコインそのものより多く流入すれば拡大する。インデックス連動型の買いや自社株買いによる供給減、リスク許容度の回復などが要因となる。
理由2:ストラテジーによる自社株買い
第2の要素は、同社が現金をどのように使うかである。プレミアムが1超のとき、ストラテジーは新株をプレミアム価格で発行し、その資金でビットコインを購入し、1株あたりのビットコイン保有量を増やしてきた。しかし1に近づくとこの効果は消滅し、株発行による買いは止まった。
$MSTR - STRATEGY SELLS 4M STOCK, BUYS NO BITCOIN
— *Walter Bloomberg (@DeItaone) August 17, 2026
Strategy sold 3.46M shares, raising 3.7M through its ATM program last week.
The company made no Bitcoin purchases, keeping holdings unchanged at 840,447 BTC, acquired for .36B at an average ,385 per BTC.
Strategy…
ストラテジーによるビットコインの直近購入は6月中旬で、それ以降は約8週間、新規取得はなかった。その代わり、現金をSTRC優先株に振り向け、配当利回りが高く100ドル近辺で推移するこの株式を自社買いして価格を維持している。
LATEST: ⚡ Michael Saylor says Strategy will not issue STRC below 0, with buybacks funded through MSTR share sales and, depending on market conditions, Bitcoin sales. pic.twitter.com/bm1uekshTv
— CoinMarketCap (@CoinMarketCap) July 27, 2026
この行動は意図的である。
価値以下で自社株を買い戻すことで、各残存株式に裏付けられたビットコインの価値が上昇する。このため、ビットコインの価格が横ばいでも株主は利益を得られる。
理由その3 売り手が姿を消した
3つ目の理由はチャートに現れている。MSTRは6月下旬以降、上昇チャネル内で推移している。ビットコインが横ばいで推移する中、高値・安値ともに切り上げてきた。月曜日には92ドル付近の下限から5%上昇の陽線を記録した。
出来高がこの動向を裏付ける。売買は6月に比べ約63%減少している。8月上旬以降、売りは細り、買い手が7月の水準まで戻りつつある。売り手は疲弊し、買い手は安定した。新たな熱狂ではなく、売り圧力の枯渇を示唆している。
直近の値動きが示すもの
3つの要素が、現在1本のライン、100ドルで収束している。この大台を明確に上回れば101.96ドルが視野に入り、さらに104.73ドル、108.26ドルまで上値が開ける。
より大きなシグナルはさらに上にある。118.46ドルを上抜ければ、134.95ドルや151.44ドルまで上昇の余地が広がる。この価格帯はウォール街の目標レンジの下限に過ぎず、平均目標はさらに上に位置する。
下値のサポートは、98.07ドルと95.66ドルが最初の水準となる。91.77ドルを日足で下回ると、チャネルが崩れ、強気シナリオは無効となる。
アナリスト見解:MSTR株の強気シナリオは成立の可能性があるものの、いくつか条件がある。ビットコインが安定し、プレミアムが縮小しつつ価格が118ドル、上昇チャネルの上限を明確に突破した場合に限り、MSTR株がストロングバイとなる。
jp.beincrypto.com でAnanda Banerjeeによるオリジナル記事 ビットコイン横ばいでもストラテジー株が上昇し得る3つの理由 を読む