AI株下落時のヘッジに国債が有力、相関はマイナスへ

AI株下落時のヘッジに国債が有力、相関はマイナスへ

フィデリティのジュリエン・ティマー氏によれば、ゴールドマン・サックスのAIバスケットは6月初旬から22%下落し、長期国債との相関もマイナスに転じた。このため、AIの売り局面では債券がヘッジとなる可能性がある。

AI関連銘柄への集中投資を持つ保有者は、357付近のサポートが崩れた場合に試練を迎える。ただし債券によるクッション効果には限界がある。成長懸念によって利回りが下がる場合に有効であり、インフレにより利回りが上昇する場面では効力を発揮しない。

AIの売りが強まる中で国債が上昇した理由

このバスケットはAI関連株の動向を追跡しており、下落は6月初旬の半導体株下落に端を発する。このときナスダック総合指数は1日で4.2%下落した。

下落が加速したのは10月22日だった。この日ナスダックは2.6%安となり、6月初旬以来の下げ幅となったとロイターは報じた。メタ・プラットフォームズ(META)は資本支出見通しを引き上げ、非議決権株式を発表したことにより7%安。フィラデルフィア半導体指数は6.7%下落した。

The GS AI basket is now sitting on support after a 22% drawdown since early June. As the bottom panel below shows, that drawdown has led to a negative correlation between bonds and the AI/ex-AI pair. 🧵(1/2) pic.twitter.com/UhKiD0vAjT

— Jurrien Timmer (@TimmerFidelity) October 27, 2026

資金は債券へ流入し、10年債利回りは5.13%から4.96%へ低下した。9月22日以来となる5%割れでの終値となった。米国債利回り曲線データによる。

フィデリティのチャート(10月25日までのデータ)は、AI関連株と非AI株およびブルームバーグ長期国債指数の20日相関がマイナス31%と示している。つまり両者は逆方向に動いている。

これは、ティマー氏が「2025年初頭の関税パニック」と呼ぶ局面のマイナス33%付近とほぼ同水準。ただし2025年12月にはマイナス37%に達した。

50日で見ても債券との相関はマイナスが続く。一方でS&P500とは依然プラス相関にある。

債券はAI関連の損失を緩和し続けられるか

それでも反発の動きは脆弱に映る。アンソロピックが上場申請をした10月26日には半導体株が2.8%上昇したが、指数は今月12.2%安の水準にあるとロイターが伝えた。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は10月28日に2日間の会合を終える。また個人消費支出(PCE)物価指数は10月29日に発表される。24/7 Wall St.は市場が12月利上げの可能性を約78%と織り込んでいると22日に報じた。

10年債利回りが5.13%を上回って終えれば、債券の反発局面は消える。8月には30年債の利回りが19年ぶり高水準に達したことで、債券が株価を押し下げた局面があった。

10月22日にはメタ社の社債保証コストも過去最高を記録し、AIへの支出がクレジット市場とも連動する形となった。

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