イーロン氏、スペースXの年商が2033年に約3兆5000億ドルに達する可能性を示唆。モルガン・スタンレーの想定は2040年で到達。
同氏の予測は銀行の見積もりより7年早く、やや上回る。スペースX株価は141ドル付近で推移し、6月ピークから約38%下落。
イーロン氏のスペースX収益予測、市場との乖離
モルガン・スタンレーは6月の上場直前、機関投資家向けに独自のスペースX想定モデルを開示している。2030年に約3300億ドル、2040年に3兆4000億ドル到達という内容。
イーロン氏の予測はより大きく、より早い到達となり、同時に2030年に1兆ドル達成との従来見通しも更新している。
I think SpaceX might be able to reach approximately https://twitter.com/elonmusk/status/2066273584645869808?s=20T revenue in 2030
— Elon Musk (@elonmusk) June 14, 2026
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なお、スペースXはこれまでに収益目標をいかなる書類にも公表していない。IPO目論見書にも将来指針はなく、第2四半期決算報告にも前向きな数値は未記載。この見通しはあくまでイーロン氏個人によるもの。
「約3兆5000億ドルの収益到達は2033年頃だと推測している(参考までに)」とイーロン氏が投稿。
兆単位はイメージしづらいため、比較例とする。世界最大の売上高を誇るアマゾンは2025年に7169億ドルを計上。イーロン氏の目標はその5倍近く。さらにスペースXが2025年に計上した186億7000万ドルの187倍。
この水準達成には、今後8年間に年率約92%成長が必要。実現は可能なのか。
AI宇宙事業こそ唯一の兆ドル級成長源か
現在の収益柱はスターリンク。顧客数は前四半期で1200万人まで倍増したが、1ユーザー当たり平均収入は85ドルから66ドルへと低下。
打ち上げビジネスは多くが想定するほど大きくない。宇宙事業の四半期収益は9億6200万ドル。真の成長源はAI部門。247%成長し、25億6000万ドル。
資本支出の配分からも戦略は明白。第2四半期の総投資184億ドルのうち、158億ドルをAIに投じている。
2025年の決算では、この傾向が続き、スターリンクは44億2000万ドルの営業利益を計上した一方、AI部門は63億6000万ドルの損失。
スペースXは、AI向けアドレス可能市場を28兆5000億ドルのうち26兆5000億ドルと試算。ただしこの推計は社内仮説や外部リサーチに依拠し、誤りの可能性も明言。
資本の流れに合わせ、ハードウェア投資も本格化。スペースXはエヌビディアと軌道上コンピューティング搭載契約を結び、飛行数増加のためルイジアナ州に1000億ドル規模の宇宙港も建設中。
目論見書は2028年にもAI演算用衛星の初打ち上げを見込む。
スペースX株価は「強気」だが、イーロン氏想定ほどではない
SPCX株は前回の終値で140.87ドルを付け、スペースXの時価総額は1兆9100億ドル規模となる。上場直後、高値225.61ドルから38%下落。
アナリストらも強気だが、イーロン氏ほどではない。35社の平均目標株価は232.35ドルであり、現在から約57%の上昇余地。
いずれも3兆5000億ドルには届かない。JPモルガンの240ドル目標はロケットではなくGrokとCursorに依拠する。
過去の経緯から、忍耐強く待つことが重要である。かつてSpaceXの社内資料は、Starlinkの2025年までの売上高を300億ドル超と見積もっていた。
実際に回線事業がもたらしたのは113億9000万ドルで、計画の約3割となった。
2028年の衛星サービス開始が、誰もが確認できる最初の節目となる。第3四半期の結果が、AI関連の記録的な投資が収益に結びつくかどうかを明らかにする。
それまでは、株価はマスク氏の最速シナリオではなく強気な成果を織り込んでいる。
jp.beincrypto.com でLockridge Okothによるオリジナル記事 イーロン・マスク氏とモルガン・スタンレーのスペースX予測、7年の差 を読む