国際決済銀行(BIS)は公式統計に改ざん耐性を持たせるツールとしてXRPレジャーを活用し、ブロックチェーン上でハッシュを用いたデータの出所と完全性の検証を試みた。
BISのワーキングペーパー第1374号は9月2日に公表され、公式データセットの暗号学的フィンガープリントをXRPL上に直接記録する方式を採用した。これにより、データ本体ではなく指紋情報のみをオンチェーンに残す仕組みである。
Trust in official statistics underpins evidence-based policy. But how can a user know a data set they downloaded is the one the publisher released? Our new paper proposes an answer. https://t.co/ezD1w5qxJb #SDMX #OfficialStatistics pic.twitter.com/zY467C1BQy
— Bank for International Settlements (@BIS_org) September 2, 2026
BISの実証実験の具体的な仕組み
このペーパーは、公式な経済・金融統計の交換標準であるSDMXの「再配布後にデータを検証するための暗号学的メカニズムが標準実装されていない」という課題に対応している。SDMXは、データ再配布時の検証に弱点がある。
研究者らは各データセットごとにSHA3-512で暗号学的フィンガープリントを生成し、複数のフィンガープリントをマークルツリーで統合、そのルート値をXRPLに記録した。
パブリッシャーを特定するW3C署名付き検証可能クレデンシャルにより、利用者は1度のレジャー参照で著作者とデータの完全性を確認できる。
「…特にXRPレジャー(XRPL)は、名目的な手数料の低さ、迅速なコンセンサス確定、開発者リソースの充実、およびコンセンサスアルゴリズムの技術的分析結果をもとに実証実験に採用された…」と、国際決済銀行は説明している。
オンチェーンに記録されるのはフィンガープリントのみであり、統計データ本体はオフチェーンに留めることで、極めて多くのデータセットを1つの台帳記載で同時にカバーしつつ、機密性も担保する。
プロトタイプは、中央値で発行まで3〜5秒、検証には1〜2秒という結果を示した。BISはこの参照実装をBIS Open Techでオープンソース公開している。
XRPトークン自体が役割を持たなかった理由
本プロトタイプの各アンカー取引では、レジャー受理の技術要件を満たすため、10ドロップ分(0.00001 程度)の最小金額のみを付与した。トークンは取引コストとしてのみ機能し、本システムはXRPを資産として保持・交換・参照したわけではない。
ペーパーに記載されたアーキテクチャはこれを明示している。コストモデルではXRPLの手数料を無視できる存在として扱い、データが効率的にバッチ処理された場合、オンチェーンコストはストレージや処理費用に比べ経済的影響が極めて小さいと指摘する。
この整理には意味がある。本研究はXRPLの基盤技術インフラとしての新たな制度利用例を提示したが、BISがXRPLを公式業務に採用した証拠ではなく、XRPをいかなる意味でも資産として扱った事例でもない。
「公共レールのテストは各機関が継続して行うもの。プロモーション目的ではなく、単に試験成果を公開しただけ。公式な記録に十分な信頼性が確認されれば次の段階に進む」と、ブラック・スワン・キャピタリストの共同創業者ヴァンデル・アルジャラ氏は述べた。
jp.beincrypto.com でLuis Blancoによるオリジナル記事 XRPレジャーが国際決済銀行の重要な試験通過 を読む