ビットコインのマイニングコストは、ハードウェアと電力でほぼ半分ずつを占めると、イーサリアム共同創業者のヴィタリック・ブテリン氏がXで述べた。一方、AI推論の場合、コストのほぼ全額がハードウェアにかかるとも付け加えた。
この違いは重要である。なぜなら、マイナーとAI企業は、ますます同じ発電所を奪い合う傾向にあるが、両者の資金の使い道は大きく異なるためだ。
ビットコインのマイニングコストは何が決めるのか
Fun fact of the day: Bitcoin mining cost is split about 50/50 between compute capex and electricity. Meanwhile, AI inference is almost completely dominated by compute capex. pic.twitter.com/PCFKZSuNRw
— vitalik.eth (@VitalikButerin) October 17, 2026
ブテリン氏はコストの明細表とともに、この見解を示した。項目ごとの合計は1枚あたり約9万3700ドルとなっている。
電力が最大の費用項目である。マシンへ直接供給される電力は1枚あたり4万600ドル、全体の43.3%を占める。その他の電力コストとしてさらに2400ドルがかかる。
一方で、コンピュータ関連設備投資(capex)は約3万7600ドルとなる。これにはハードウェア、冷却装置、電力設備、ファイナンス費用などが含まれ、ビットコインのマイニングコスト全体の約40%に相当する。
労働費、施設賃料、保守、保険、税金、通信費は残りのおよそ14%を占める。つまり、電力とコンピュータ設備投資はおおむねそれぞれ46%、40%で拮抗している。
この明細表の合計額は、JPモルガンの最近のビットコイン生産コスト試算(8万5000ドル)を上回る。
現在のビットコイン価格も上回っているため、平均的なマイナーは全コストをカバーできない計算となる。
AI業界はなぜ異なる電力ルールで動くのか
AI推論は、その比率が逆転する。ブテリン氏によれば、学習済みモデルを動かすには高額なチップが主要なコストとなり、電力はコスト全体に占める割合がはるかに小さくなる。
その結果、AI事業者はマイナーよりも高い電力価格に耐えられる可能性が高い。一方、マイナーは電力がビットコインのマイニングコストの大半を占める。
このギャップはすでに市場に影響を及ぼしている。多くのマイナーが認可済みの電力容量を保有しており、AI開発者は、地域内データセンター規制の拡大で、必要な建設を十分な速さで進められていない。
業界内部では、AIがマイニングを最もコスト高な場所から完全に駆逐する可能性も指摘されている。
両者のモデル融合を模索する声もある。例えばBitMEX共同創業者のアーサー・ヘイズ氏は、GPU所有者に報酬を支払うビットコイン流のAIマイニングネットワークを構築中だ。
ブテリン氏の試算が正しければ、マイナーは安価な電力、AI運用者は安価な資本が競争優位となる可能性がある。エネルギー関連施設の次なる争奪戦は、ビットコインのマイニングコストではなく、誰がより速くハードウェア調達資金を確保できるかに左右される見通しだ。
jp.beincrypto.com でPhil Haunhorstによるオリジナル記事 ヴィタリック・ブテリン氏、AIがビットコイン採掘者を排除する理由 を読む