Marathon Fusionは、水銀を「実際に安定した金」に変換したと発表した。従来のCERN記録を10倍に上回ったという。サンフランシスコのスタートアップ企業である同社が、10月21日にXで結果を公表した。
この投稿をきっかけに、トレーダーの間で見慣れた懸念が広がった。もしリアクターで金を作れるなら、金属の希少性は維持できるのだろうか。
核融合炉は実際にどれだけ金を生成できるのか
暗号資産トレーダーのCrypto Bitlord氏は、金は実はそれほど希少ではない可能性があるとXに投稿した。マルチコインキャピタル創業者兼CIOのトゥシャール・ジェイン氏はこの懸念をさらに掘り下げ、「合成石の出現がダイヤモンド価格に与えた影響」と比較した。
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Lab grown diamonds crashed the price of diamonds. What will lab grown gold do to the price of gold? https://t.co/kb1Mmh2rj8
— Tushar Jain (@tushar_jain) October 21, 2026
しかし、核融合による金生成が直ちに金価格を脅かす存在になるのだろうか。
その発表自体は、実態を評価できる情報が乏しい。Marathon Fusionの投稿スレッドでは、実験でどれだけの金が生まれたかや、どのCERN記録を更新したかの記載がない。実験データの公開もなく、スレッドの大半は金ではなく医療用アイソトープに関する内容だった。
参考までに、CERNのALICEチームはLHC(大型ハドロン衝突型加速器)の2015年から2018年の稼働で金約29ピコグラムを生成した。これらの金原子核は4回の実験から生まれ、わずか一瞬で崩壊した。
Marathon Fusion自身の研究からも、大規模プラントでどの程度の金が生産可能かが推測できる。同社が2025年に発表した論文では、熱出力1ギガワット当たり年間約2トンの金が生成できると試算している。
一方、ワールド・ゴールド・カウンシルによると、2025年の世界の金鉱山生産量は3,672トンだった。また、2026年第2四半期時点で地上にはすでに22万2,600トンの金が存在する。
仮に論文の2トンという数字を取っても、それは現状のMarathon Fusionの体制を大幅に超えるスケールを前提にしている。同社のウェブサイトによれば、現在の核融合炉は出力1キロワット、1ギガワットの100万分の1の規模にとどまる。
また、生成された金がすぐに市場に流通するわけではない。論文によれば、生成直後の金には放射性同位体が残る。
安全基準によっては販売前に7年から17年の保管が必要となるという。なお、水銀原料を高純度化すればこの期間を短縮できる可能性があることも指摘されている。
このように、核融合による金の市場流通まではまだ数年かかる見込み。なお、金価格自体はMarathon Fusionの投稿前から下落傾向が続いていた。
厳しい2026年でも金価格はどう推移したか
市場データによると、金価格は1月1日比5.56%安で推移している。きょうもさらに1.2%下落した。1月下旬には1月1日比で約25%上昇したが、その後に反転した。
市場参加者のBull Theory氏は、金の下落で約4,060億ドルの時価総額が消失したと報告した。同期間、銀は3%下落し、合計で損失は5,000億ドルを超えた。
ただし、一部アナリストは下落相場の終焉が近いとの見方を示している。IntoTheCryptoverse創業者のベンジャミン・コーエン氏は、金はベアマーケット末期にあると述べ、ただし当面は調整が続く可能性にも言及した。
I think Gold is in the final innings of its bear market.
— Benjamin Cowen (@benjamincowen) October 21, 2026
Could always struggle a bit longer, but I think we are getting close... pic.twitter.com/B0IOTDmP4m
現時点で、金保有者にとって最大の試練はMarathon Fusionの実験室ではなく、上記チャートに表れている。今後数週間で、2026年の損失からの回復が可能か、それとも下落がさらに進むかが明らかになる。
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https://youtu.be/pvUtsN9xcv4jp.beincrypto.com でKamina Bashirによるオリジナル記事 人工ゴールドは市場を席巻するか 新興企業が水銀から金を生成 を読む