オランダの映画チェーン大手Pathéが、30人の映画ファンに催眠術をかけ、好きな映画を「忘却」して新鮮な気持ちで観賞させる計画を発表した。この実験は、Netflixが北米の全映画興行収入を上回ったタイミングで行われる。
催眠術イベントは小規模だが、その背景には大きな危機感がある。Netflixは2025年、北米地域の映画興行収入の2倍を超える収益を上げ、AMCエンターテインメントなど映画館運営企業は来館者の奪い合いを迫られている。
催眠術で初めて観た時の感動は再現できるのか
この催眠イベント「Pathé REWIND(リワインド)」は、11月9日にハーグのPathé Buitenhofで開催予定。
参加者は「マトリックス」「セブン」「ラ・ラ・ランド」「インターステラー」から選択できると、同社の 発表に記されている。
催眠療法士ビクター・クラエマー氏(30年以上の催眠専門家)が、まず各参加者をオンラインセッションで誘導し、上映直前にもグループで再度催眠状態に導く。
同社発表にはNetflixや興行収入動向についての記述はない。あくまで「映画を初めて観た時の魔法のような感動を再現できるか検証する」としている。
ただし、参加者が本当に内容を記憶喪失したかどうかの検証手法については言及がない。
Netflixはどうやって北米映画興行収入を上回ったのか
Pathéの催眠術イベントは、映画館がストリーミングでは体験できない独自の夜を演出する動きの一環である。
2019年、米国とカナダの映画興行収入は113億6000万ドル。一方、Netflixの同地域売上は100億500万ドルと僅差だった(同社の 開示資料およびBox Office Mojoの データによる)。
2025年には逆転。Netflixの地域売上は199億6000万ドルとほぼ2倍に拡大し、映画興行収入は86億6000万ドルへ減少した。
AMCはその後、2026年第2四半期の収益を15億9000万ドル(前年同期比14%増)と発表し、部分的に回復している。
一方、Netflix株は記録的な売上にもかかわらず10月に26か月ぶりの安値を付けた。AMCの第3四半期決算(11月4日発表)は、劇場回復の持続性を評価する材料となる。
今回の催眠イベントは現時点で30人限定の一夜限り。そのAMCも過去に、ビットコイン決済の導入やドージコイン対応など暗号資産ファンへのアプローチも進めた。
2021年のミーム株ブームでは個人投資家の人気銘柄ともなり、9月の株式トークンを巡る論争ではプレマーケットで15%上昇した。
このようなサービス追加でNetflixと映画興行収入の110億ドルの差を埋められるかどうかは、AMCの株主にとって依然最大の課題である。
jp.beincrypto.com でPhil Haunhorstによるオリジナル記事 映画チェーンが初鑑賞の感動再現に挑戦 を読む