AI制作のドラマが人気、マンゴーTV株価64%上昇

AI制作のドラマが人気、マンゴーTV株価64%上昇

投資家が今週、Mango Excellent Mediaへ殺到した。同社株は最大64%上昇し、2015年1月以来で最大の週間上昇率となった。

この急騰により、マンゴーはMSCIアジア太平洋指数でトップの上昇率を記録した。同指数はアジア太平洋地域の大型・中型株を対象とするベンチマークである。

新作が投資家の買い意欲を刺激

上昇のきっかけは8月31日にさかのぼる。この日、マンゴーTVは、「The Later Journey to the West」(邦題未定)を初公開した。同作は中国初の完全生成AIによる長編テレビドラマとされている。

また同番組は、新たな「放送しながら審査」モデルの下で開始された。この規制枠組みにより、プロデューサーはシーズン全体を完成させなくても段階的にエピソードを提出して認可を得られる。これにより、制作チームは視聴者の反応を反映させつつ、後半のエピソードを調整できる。

初回放送の影響はマンゴー株のみにとどまらなかった。昆侖万維(Kunlun Tech)や中国文学(China Literature)の株価も上昇した。トレーダーはAIが生み出すコンテンツが業界の次なる成長エンジンになると見ている。

マンゴー株はAIドラマの好評放送後に最大64%上昇 出典: Trading Viewマンゴー株はAIドラマの好評放送後に最大64%上昇 出典: Trading View

こうした反応は、今年これまで中国の生成AI株で相次いだ技術革新のたびに投資家の熱狂が広がるという、より広い傾向を反映している。

アナリストはさらなる成長余地を指摘

国営の中国国営ラジオによると、今年第1四半期に約12万8000本の「ミニドラマ」が市場に登場した。ミニドラマとは中国で人気の縦型・短尺動画シリーズのこと。そのうち95%は生成AIによる作品だった。

モルガン・スタンレーのレベッカ・シュウ氏らアナリストは、この規制の変化を配信プラットフォームにとっての追い風と位置付けた。

「AIコンテンツやプラットフォーム間の競争が激化するなか、今回の政策転換はマンゴーやiQIYIのような配信プラットフォームにとってプラスに働くとみている」

iQIYIは中国の動画配信市場におけるマンゴーの主要な競合である。

一方、シティグループのブライアン・ゴン氏らアナリストは別の切り口から論じた。同氏らは、中国AI動画モデル自体の短期的な商業的可能性が過小評価されていると指摘する。

また同氏らによれば、バイトダンスの「Seedance」はテキストから動画を生成する技術において引き続き業界の品質基準となっている。

ただし競合他社も独自色を打ち出している。MiniMax Groupの「H3モデル」は競合するテキストから動画のシステムで、低コストながら準プレミアム級の出力が可能。Kuaishou Technologyの「Kling」は世界規模のユーザー基盤を持ち、業界リーダーに挑戦している。

この上昇が今後も続くかどうかは、同番組が初週以降に視聴者の支持をどれだけ獲得できるかにかかっている。

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