ピーター・ティール氏がアルゼンチンの石油会社ビスタ・エナジーのほぼ1%を取得した。同氏のファンドは約120万株の米国預託株式を約7600万ドルで取得。
今回の取得は米証券取引委員会(SEC)への四半期報告書で明らかになった。ビスタは、ティール氏が開示した保有銘柄の中で第2位の規模となる。
ティール氏のビスタ・エナジー7600万ドル投資の内幕
ティール・マクロは2026年第2四半期、418.7百万ドル相当の8銘柄を保有していると報告した。うちビスタは75.9百万ドル、全体の18.1%を占める。
ティール・マクロの拡大ペースも速い。前四半期は1銘柄のみの開示だったが、今回8銘柄を開示した。
アマゾン(AMZN)の28.2%が最大で、これを上回る銘柄はない。一方、電力3社が全体の約34%を占める。ヴィストラ、アメリカン・エレクトリック・パワー、DTEエナジーが該当する。
このポートフォリオは、テクノロジーではなくエネルギー分野への投資色が強い。ティール氏は本年他分野の保有を減らしている。2月には自身のファウンダーズ・ファンドがイーサリアム財務企業を売却している。デジタル資産関連企業への圧力が高まっていたためだ。
個別株投資でも苦戦があった。5月にはティール氏が支援する上場銘柄がラスベガスでのデビュー失敗後、株価が半減した。
開示日は8月14日で、6月30日時点の保有状況を示している。四半期開示は市場動向から遅れるため、その後ポジションに変更があった可能性もある。
ビスタはこのように、ティール氏のポートフォリオの中で際立つ存在。ビッグ・テック以外では最大の個別投資となっている。
なぜこの富豪はバカ・ムエルタの石油に賭けるのか
ビスタはバカ・ムエルタで掘削を行う。ベルギーとほぼ同規模のシェール層で、世界2位のシェールガス、4位のシェールオイル埋蔵量を持つ。
2026年第2四半期の生産量は1日当たり15万6,061バレル(原油換算)。前四半期比で16%増。ビスタはアルゼンチンに65億ドル超を投じており、5月には生産目標も引き上げた。
政治的背景も投資タイミングの理由。ティール氏は4か月前、ブエノスアイレス大統領府でハビエル・ミレイ大統領と会談。同大統領は後に現地メディアへ、両者が経済政策や富裕層課税廃止をめぐり意見交換したと語った。
その後、ミレイ政権下でのアルゼンチンのインフレ率は低下傾向が続く。ただし、ペソ制約の持続性に依然として経済学者らは懸念を示す。ティール氏は高級住宅街にも邸宅を購入している。
税制も重要な要素。富裕層投資家は2026年により低い税負担の地域を求めていた。ミレイ大統領はそうした資金の流入を積極的に呼び込む。
暗号資産業界の読者にとっては、個別銘柄よりも資本の流れこそが注目点。デジタル資産に流れていた資金は、この下落相場でコモディティや株式へシフトしている。ティール氏の今回の開示は、まさにその潮流の中にある。
ティール氏の投資が成功するかは、バカ・ムエルタでの増産とミレイ大統領による改革政策の継続にかかっている。
jp.beincrypto.com でPhil Haunhorstによるオリジナル記事 ピーター・ティール氏の第2の大型投資先 テク株以外に転換 を読む