イーロン・マスク氏に100万ドルのドメイン購入を求める人物が現れた。グロックボットのドメイン「grok.bot」の匿名保有者が、マスク氏の企業が同名プロダクトを発表した数日後、同サイトをxAIへの公開書簡に変えた。
この売り込みは木曜日、X(旧Twitter)で拡散された。しかし、公開記録が売り主の主張に疑問を投げかけている。同氏は「運よくxAIの1カ月先にドメインを取得」と述べるが、実際は7カ月先であることが記録から明らかになった。
100万ドル要求、「偶然の幸運」とアピール
ランディングページはxAIに向けた挨拶文から始まる。ネオン調のチケット画像で「宝くじに当たった」アドレスと印象付ける。注意書きにはオーナーがマスク氏の企業と無関係である旨が記されている。
売り主は「偶然」の産物だったと説明する。「.bot」のドメインが好きで購入しただけとし、おまけで「Space.bot」も提供するとしている。
「私はgrok.botを、あなたがXでGrok botを発表する1カ月前に購入した。まったくの偶然——単に.botドメインが好きなだけだ」と、名義人と見られる人物がサイト上で記した。
その後、訴えは個人的な内容に移る。売り主は暗号資産取引で大きな損失を出し、さらに間もなく子どもが誕生すると明かした。xAIが支払えばミームコインから手を引くと約束し、100万ドルはマーケティング費用だと主張。連絡先はGmailアドレスのみ記載した。
この告白はよくあるパターンと重なる。マスク氏自身の投稿がたびたびミームコインのブームを引き起こしてきたが、売り主はまさにその世界からの脱却を望むと述べている。
someone bought https://t.co/veJugmkLLb and is now asking elon musk to pay https://twitter.com/abhijitwt/status/2090345038467526734?s=20m for it pic.twitter.com/BV2UOSNz8P
— Abhijit (@abhijitwt) August 20, 2026
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WHOIS記録で「grok.bot」ドメイン取得時期に疑義
「偶然」説は記録によって簡単に否定される。WHOISの公開記録によれば、当該ドメインは2026年1月20日に購入された。
xAIは8月11日に、常時稼働型AIエージェント「Grok Bot」の発表を行った。差は1カ月でなく7カ月であった。
Introducing Grok Bot, now in early beta.
— Grok Bot (@bot) August 11, 2026
Bots are AI teammates that do real work for you. They sign in to your tools, use them just like you do, and come back with finished work. pic.twitter.com/uyfA97yo98
この記録から判明する情報は他に少ない。ドメインはSpaceship社に管理され、所有者はアイスランドのプライバシーサービスで匿名化されている。
売り主には交渉上の弱点もある。xAIはすでに「grok.com」でチャットボットを展開しており、主力アドレスは確保済みである。
.botドメインは付加価値的な存在にとどまる。
ただし、大規模なドメイン取引が起きる事例もある。ストラテジーは2019年、EOS開発企業Block.oneに「Voice.com」を3000万ドルで売却した。
Record breaker: https://t.co/wRMNtpUpNa domain name sells for staggering million - Domain Name Wire | Domain Name News & Website Stuff https://t.co/dtsO5TA2pl
— Michael Saylor (@saylor) June 20, 2019
マスク氏自身も思い入れから2017年にPayPalからx.comを買い戻した。
Thanks PayPal for allowing me to buy back https://t.co/bOUOejO16Y ! No plans right now, but it has great sentimental value to me.
— Elon Musk (@elonmusk) July 11, 2017
ただし、一般的に買い手が交渉上優位となる。商標権者は統一ドメイン名紛争処理方針(UDRP)により異議申し立てが可能だ。申立費用は1500ドル。売り主の要求額の0.15%にすぎない。
また、マスク氏の企業ではより大きな金額が動いている。スペースXは今月、AI部門が1四半期で12億6000万ドルの損失を計上したと開示した。一方、Grok 4.5は最近、エージェントベンチマークで首位となるなど、「Grok Bot」名の価値を押し上げる要因となっている。
マスク氏およびxAIはいずれもコメントしていない。
売り主が1ドルすら手にできない可能性もあるが、すでにドメイン転売業者が追い求める状況を手にしている。「適切な買い手」がこの存在に気付いた段階で目的達成とも言える。
jp.beincrypto.com でLockridge Okothによるオリジナル記事 イーロンのGrokボット、ドメイン問題で100万ドルの危機 を読む