FRB利上げ確率9割に トランプ経済の誤算は

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FRB利上げ確率9割に トランプ経済の誤算は

ドナルド・トランプ氏は数カ月にわたり、ジェローム・パウエル氏が問題だと主張してきた。現在パウエル氏は去ったが、金利は動いていない。金曜日に市場は、来週の米連邦準備理事会(FRB)の利上げ確率を86.9%として織り込んだ。

この見方は、トランプ氏の公約とは真逆である。同氏は低金利を求め、ケビン・ウォーシュ氏を起用した。そのウォーシュ氏も一度も利下げを実施していない。

9月利下げ・利上げ予想確率 出典:CME FedWatch Tool9月利下げ・利上げ予想確率 出典:CME FedWatch Tool

「投資家として、こう自問すべきだ。トランプ大統領は、次期FRB議長就任の条件として“利下げ”を事実上求めた。果たして、トランプ大統領の任命でFRB議長となったウォーシュ氏が、最初の会合で利上げに踏み切るのか」コベイシ・レターのアナリストは投げかけた。

市場は利上げの可能性を過大評価しているのか。FOMC議長が反対票を投じたのは1939年以来ない。

ウォーシュ氏はトランプ氏が利下げを託した人物

トランプ氏がパウエル氏を「遅い」「手遅れだ」と繰り返し批判した春を経て、ウォーシュ氏は5月22日に就任宣誓した。パウエル氏は実際、2025年終盤にFOMCで3度の利下げを行い、12月10日に打ち止めした。

トランプ氏はこの春、パウエル氏を「遅い」「手遅れ」と批判した 出典:Trump on Truth Socialトランプ氏はこの春、パウエル氏を「遅い」「手遅れ」と批判した 出典:Trump on Truth Social

しかしウォーシュ氏は6月と7月の2度の会合で一度も利下げを行っていない。CME FedWatch Toolの予測を信じるなら、次回会合でも利下げは期待しにくい状況。

A September Fed rate hike is almost locked in now

85% chance the Fed hikes next week.
It's the right call.
The risks are growing that inflation remains entrenched (or keeps broadening). Fed Chair Warsh doesn't want to make the same mistake Powell did of waiting too long to… pic.twitter.com/RdGcjhTP4G

— Heather Long (@byHeatherLong) September 11, 2026

米海軍連邦信用組合のチーフエコノミスト、ヘザー・ロング氏の指摘だ。トランプ氏は、パウエル氏の利下げ対応の遅れを批判した。ロング氏は、ウォーシュ氏が逆の事態を恐れているとみる。

ロング氏によれば、むしろ利上げは物価抑制を通じて、低所得層の生活を助ける可能性もある。

7月には3名の理事が利上げに賛成した。市場参加者の予測も利上げ優勢を示している。

トランプ氏はいまだに金利を1%近辺にしたい考えだ。ウォートンのジェレミー・シーゲル氏は、トランプ氏からの圧力と中間選挙がFRBの足枷になっていると指摘する。

金曜日の経済指標、ウォーシュ氏に不安

食品・燃料を除くコア物価は8月に0.3%上昇した。市場予想は0.2%。ガソリン価格は1カ月で3.9%の急騰となった。

FRBのクリストファー・ウォーラー理事は強い経済指標が出れば利上げ判断を検討すると警告していた。UBSは年内2回の利上げを予想する。

UBS CPI take:

"Warsh painted himself in a corner here. Well, we've gotten the hard language tough guy speech at Jackson Hole. His remarks were prepared and his messaging was intentional. Now, we've gotten the data - labor market print more robust, inflation still supported.…

— zerohedge (@zerohedge) September 11, 2026

ホワイトハウスはこうした動きを問題視していない。国家経済会議(NEC)を率いるケビン・ハセット氏は、3カ月平均のコアインフレ率が1.6%とFRBより短期の期間で低水準にあると強調する。

それでも、利上げに反対する論者はトランプ政権関係者ばかりではない。トレシスのチーフエコノミスト、ダニエル・ラカジェ氏も、利上げはFRBの「デュアル・マンデート」に逆行するとの立場だ。

The Fed has a dual mandate: Price stability and maximun employment.

A rate hike now goes against both.

✖️ It will do nothing to gas, diesel prices or shelter costs.
✖️ It will hurt job creation, investment and domestic production.

It would engineer a private sector recession. pic.twitter.com/D71X4OKCte

— Daniel Lacalle Official Account (@dlacalle_IA) September 11, 2026

労働市場は緩やかに改善傾向だが十分とは言えない。8月の雇用増は16万2000人、失業率は4.1%で横ばい、労働参加率上昇が続いている。

「エネルギー価格ショックと需要過熱を混同するな。回復途上の雇用情勢下での利上げは重大な政策ミスになる」ラカジェ氏は警告した。

この主張は両論をはらむ。8月のインフレがエネルギー高に要因があれば、トランプ氏の求める1%など達成は不可能だ。

ウォーシュ氏にも今後利下げの選択肢は残る。ただ、水曜日の投票が目前に迫る。もはや「トランプ氏が求める議長(ウォーシュ氏)を得たか否か」ではなく、「かつての議長(パウエル氏)が障害だったのか」が問われている。

ビットコイン(BTC)と金はCPI発表の反応で下落したが、ほぼ即座に回復した。

jp.beincrypto.com でLockridge Okothによるオリジナル記事 FRB利上げ確率9割に トランプ経済の誤算は を読む