ナイキ株が12年ぶりの最安値 ビットコインよりリスク高か

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ナイキ株が12年ぶりの最安値 ビットコインよりリスク高か

ナイキ(NKE)は月曜日に39.09ドルで取引を終えた。これは2014年9月以来の安値となる終値である。同株は2021年の過去最高値からおよそ78%下落。ビットコインですら、この弱気相場でここまで下落していない。

ナイキはダウ工業株30種平均の構成銘柄である。投資家は安全性を求めてこの指数を買う。しかしチャートはもはや安全とは言えない状況。

ナイキ(NKE)株価の推移ナイキ(NKE)株価の推移 出典: Yahoo Finance

ダウ構成株、ビットコイン以上の下落

ナイキは月曜日に4.03%下落。2021年11月5日に記録した過去最高値169.74ドルからほぼ80%下落している。下落率の大きさは明白。ナイキの時価総額はいま約580億ドルとなった。

$NKE - NIKE SINKS TO 12-YEAR LOW

Nike fell 3.2% to .42, putting shares on track for their lowest close since September 2014.

The stock is now down 38% YTD, 5.5% in August, and nearly 78% from its 2021 all-time high.

Nike is also the worst performer in the Dow today and is…

— *Walter Bloomberg (@DeItaone) August 17, 2026

足元の発行済株式数を当時の株価に掛けると、ピーク時の時価総額はおよそ2550億ドルだった。

ビットコインの下落率はこれより小さい。BTCは月曜日に6万4325ドル近辺で取引され、過去24時間で2%上昇。ビットコインの過去最高値は2025年10月6日に12万6080ドルを記録。したがってビットコインの値動きはピークから約50%下落、ナイキの下落幅の半分ほど。

時間軸も比較が可能。ビットコインは10カ月で価値を半分にしたが、ナイキの下落は57カ月続いている。

ビットコイン(BTC)とナイキ(NKE)の株価推移ビットコイン(BTC)とナイキ(NKE)の株価推移 出典: TradingView

重要なのは下落スピードより「過ぎ去った年月」。ビットコインは2024年の水準まで値を戻した。一方ナイキは2014年の株価水準に逆戻りしている。

ビットコインには「サイクルのせい」という説明が可能。しかしナイキにはそれがない。米国株式市場が強気のなかで下げ続けている。

ナイキ、絶頂期に暗号資産を購入し、底値で手仕舞い

ナイキのデジタル分野への注力は正確な日付とともに記録されている。2021年12月13日、過去最高値から5週間後のこの日、ナイキはRTFKTを買収した。

RTFKT is now a part of the NIKE, Inc. family. 🌐👁‍🗨 pic.twitter.com/5egNk9d8wA

— RTFKT (@RTFKT) December 13, 2021

RTFKTは小規模なスタジオで、イーサリアム上のNFTとして存在するスニーカーやアバターを販売していた。

当時のジョン・ドナホーCEOは、この買収をナイキがデジタル文化を所有できる証拠として売り込んだ。

「今回の買収は、ナイキのデジタルトランスフォーメーションを加速させ、スポーツ、創造性、ゲーム、文化が交差する場所でアスリートとクリエイターにサービスを提供する一歩である」-当時のナイキCEO、ジョン・ドナホー氏(2021年12月のリリースより)

ナイキは2025年初めにRTFKTスタジオを閉鎖。その後コレクターらは500万ドルの賠償を求めて訴訟を起こした。未登録証券であるNFTを販売し、同社が事実上「撤退」したと主張。

同時期、ほかの消費財ブランドもNFT事業から撤退した動きが多かったことは、BeInCryptoの報道でも明らか。しかしナイキの事例は特に象徴的だ。RTFKTの買収は同社株のピーク時にあたる。

再建策、いまだ売上回復に結びつかず

エリオット・ヒル氏が2024年10月にCEOとして復帰した。同氏はナイキに32年間勤務し、退職後わずかでの再登板。再建が託された。

だが間もなく2年が経つも業績は上向いていない。2026年度の売上高は464億ドルで横ばい、通貨変動調整後は2%減。1株当たり利益も3%減り2.10ドルとなった。

問題は販売チャネル構成。量販店経由の卸売(他店舗・小売での販売)は6%増の275億ドルとなった。

直営店および自社アプリでの「ナイキダイレクト」は6%減の177億ドル。利益率の高い直販が縮小している。コンバース部門は31%減の12億ドル。

中国事業の減速が目立つ。中国の売上高は11%減の58億5000万ドル、同地域での利益は20%減の12億8000万ドルとなった。

第4四半期の粗利益率49.2%は一見すると好調に見えた。しかし関税返還見込み額9億8600万ドルによるもの。この影響を除けば、粗利益率に大きな変動はない。

「今後しばらく業績回復につながる明確な兆候は見られない……この水準(2027年度1株利益の市場予想による22倍のPER)からPERを拡大すべき根拠も見当たらない」エバーコアISIのマイケル・ビネッティ氏は、調査ノートでこのように述べた。

今後の展開

月曜日にもう1つ動きがあった。デービッド・デントン氏がナイキ最高財務責任者(CFO)として就任したのは、同社株価が12年ぶりの最安値を記録した当日だった。前任者のマシュー・フレンド氏は9月4日に退任する。

ウォール街は今も反発を期待する。ストックアナリシスのデータによると、平均目標株価は50.66ドルで、月曜日の終値を約30%上回る。JPモルガンの目標は40ドルと最低水準だが、ナイキの株価はその水準さえ下回った。

年間配当は1.64ドルで、配当利回りは4%超となる。これは強気派の最大の支えである。第1四半期の決算発表は9月下旬の予定。

ビットコイン保有者は10年間、「資産が危険だ」と言われ続けてきた。ナイキ保有者は「安全」とされながら、2021年以降で資産の78%を失った。投機的資産のチャートは、どちらだったのか。

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