ハッカーが9月24日に暗号資産取引所Bitgetから3億8750万ドルを盗み出した。このうち一部は現在、THORChainを通じてビットコインへと換金されており、同プロトコルは凍結を拒否している。
THORChainは、本人確認なしで異なるブロックチェーン間の通貨交換を誰でも行える。ビットコインへ換金された資金を、いかなる企業も凍結できない。
Bitget、THORChainにハッカーの利用拒否を要請
ハッカーのウォレットは公開されており、追跡対象となっている。Bitgetのグレイシー・チェンCEOは、THORChainに対してこれらのウォレットの取引を拒否するよう要請した。
「分散型(Decentralization)は設計思想であり、盗難資金の流用を助長する盾ではない。業界は注視している」と< a href="https://x.com/GracyBitget/status/2103812967066439817" target="_blank" rel="noreferrer noopener nofollow">同氏は語った。
ブロックチェーントラッカーMistTrackによると、同様の事例は過去にもあった。昨年のBybitへの14億6000万ドルハッキング後、約12億ドルがTHORChain経由で追跡されたという。
THORChain and Stolen Funds: The Industry Needs Answers
— MistTrack🕵️ (@MistTrack_io) September 25, 2026
After the https://twitter.com/MistTrack_io/status/2103403250183815294.46B @Bybit_Official hack last year, nearly https://twitter.com/MistTrack_io/status/2103403250183815294.2B in stolen funds was reportedly traced through @THORChain as the attackers moved assets across chains.
Today, following another major security incident at @Bitget …
THORChain「自分たちはビットコインと同等」と主張
THORChain側はこれに反発した。同プロトコルは「承認不要(Permissionless)」であり、ビットコイン、イーサリアム、BNBチェーン同様、誰でも利用可能と説明した。
「ビットコイン、イーサリアム、BNBチェーンは、明らかな盗難資金を扱う際にどのような責任を負うべきか?」とチームはコメントした。
この反論は、THORChainが不正資金の流通を監視または遮断すべきかという議論に対し、基盤ブロックチェーン自体も同様ではないかと問題提起したもの。
THORChainでの承認不要なクロスチェーン交換と、業界側で求められるハッカーアドレス対応の狭間にある、暗号資産業界の根本的な対立を浮き彫りにした。
THORChainは過去に取り引きを停止した例も
競合取引所OKXのスター・シュー創業者は「ビットコインと同等」というTHORChainの主張を「誤り」と指摘した。THORChainは今年5月、およそ1000万ドルが流出後、自らの< a href="https://blog.thorchain.org/thorchain-exploit-report-2" target="_blank" rel="noreferrer noopener nofollow">報告書で一部ボールトの取引を一時停止したと明らかにしている。
「自分たちの資産が危機に陥れば停止できるネットワークが、他人の資産が危機にある場合は停止しないというのは、“ビットコインのようだ”とは言えない」とOKX幹部は< a href="https://x.com/star_okx/status/2104004321805480214" target="_blank" rel="noreferrer noopener nofollow">批判した。
5月が初めてではない。2021年の< a href="https://medium.com/thorchain/post-mortem-eth-router-exploits-1-2-and-premature-return-to-trading-incident-2908928c5fb" target="_blank" rel="noreferrer noopener nofollow">ハッキング時にも、ノードがネットワークを即座に停止したことがある。2025年1月にも< a href="https://medium.com/thorchain/thorfi-unwind-96b46dff72c0" target="_blank" rel="noreferrer noopener nofollow">投票によりレンディングおよび貯蓄商品を凍結した。
when thorchain got drained in 2021, the network halted within hours. when thorfi went underwater in jan 2025, nodes voted to freeze withdrawals overnight.
— Matt (@matthubuilds) September 27, 2026
"decentralized and permissionless" seems to apply only when it's other people's money.
a sanctioned state already used you to… https://t.co/V3PXFB5PCG
さらに制裁対象国である北朝鮮は、すでにTHORChainを利用しBybitから10億ドル超を移動させていた。研究者およびBybitも2月の2025年攻撃の大部分を、ラザルス・グループがTHORChainでビットコインに換金したと分析している。
Bitgetユーザーへの影響
Bitgetは4億6400万ドル規模の保護基金で全顧客を補償すると発表した。出金は月曜日から再開され、ビットコインは協定世界時8時に開始。
チェンCEOは北朝鮮犯行の< a href="https://jp.beincrypto.com/bitget-hack-north-korea-gracy-chen/" target="_blank" rel="noopener">可能性が極めて高いとみている。Bitgetは資金凍結に協力した場合、資金の5%を報奨金として提供する。
THORChainはいまだに問題のウォレットをブロックしておらず、対応姿勢への批判が続く一方、同ネットワークのRUNEトークンは直近24時間で20%超の上昇。
jp.beincrypto.com でLockridge Okothによるオリジナル記事 THORChain、Bitget流出の関連資産を凍結せず を読む