カルダノ創設者、AnthropicのAI透かし除去ツールを公開

BeInCrypto
Open on BeInCrypto
カルダノ創設者、AnthropicのAI透かし除去ツールを公開

カルダノ創設者であるチャールズ・ホスキンソン氏が、アンソロピック(Anthropic)社のClaudeによる透かしを取り除く無料ツールを公開した。ツール名は「Anthropies」で、Anthropicとherpesをかけ合わせた造語。

このプロジェクトは、アンソロピック社が全てのClaude製品に不可視の透かし処理を適用してから5日後の日曜日にGitHubで公開された。ホスキンソン氏はApache 2.0ライセンスで公開している。

アンソロピックの透かし技術の仕組み

現在、アンソロピック社はClaudeテキストにモデルレベルで透かしを埋め込んでいる。この導入は、8月2日に施行されたEU AI法の透明性規定に対応したもの。

この透かしは隠れた文字列ではない。実際には、秘密鍵がトーナメント・サンプリングと呼ばれる仕組みを制御する。この仕組みは、複数の単語が同程度に適合する場合の選択を左右する。

AnthropiesAnthropies 出典:Hoskinson Github

ホスキンソン氏のリポジトリは問題を3層に分けている。「Co-Authored-By」gitトレーラーは簡単に除去できる。画像のC2PA資格情報も再エンコードすれば消える。

もっとも難しいのは文章層。ツールはそのため、テキストをClaude以外のモデルで再生成する。リポジトリ内では「非起源リライト」と呼んでいる。

この設計には明確な制約がある。ClaudeやGemini内部でリライトすれば、透かしが再度付加される。このため、ツール側はこれを回避する。

リポジトリには3つのモードがある。Cleanはトレーラーを確定的に除去し、humanizeは文章を外部でリライト、orchestrateはホストモデルがClaudeの場合は処理自体を停止する。

コード自体にはほとんど透かしが載らない。構文上、単語の置換余地が極めて小さいため、透かしを埋め込む余地がない。

ここでApache 2.0ライセンスが重要となる。このライセンスは、誰でも元の通知を保持すればコードをコピー、改変、販売、同梱できる承認不要のオープンソース規定。また、特許ライセンスも付与されるため、アンソロピック社は特許を理由にフォークを阻止できない。

「透かしは文章そのもの。消すべき別個のペイロードは存在しない。削除するには単語自体を変える必要がある」

Anthropies README

Diagram of the three Anthropic watermark layersアンソロピックの透かし3層構造の図 出典:Hoskinson Github

ツール公開をめぐる法的論点

ホスキンソン氏はX上で、この公開を「ツール」ではなく「警告」と位置付けた。氏は透かしやClaude共同著者行の存在が、将来的に問題となる可能性を指摘する。

I'm creating a new skill that can be used with most LLMs to strip out the Anthropic watermark. I call it Anthropies (Anthropic Herpies). I've also included a legal argument about how watermarks and the co-authored by Claude can cause issues down the road https://t.co/6eNx4br1BZ

— Charles Hoskinson (@IOHK_Charles) August 16, 2026

リポジトリの約半分はコードではない。ホスキンソン氏は、成果物の所有権を利用者に帰属させる旨の利用規約「我々の利用規約を遵守していることを条件に」適用される条項を批判する。

同氏はこの文言を「条件成就条項」と解釈する。つまり、ユーザーが条件を満たさなければ所有権が移転しないということ。利用規約違反時は所有権が一度も移転されない可能性がある。

gitトレーラーにも別の問題がある。公開された共同著者行は、後日に共同著作物の証拠となる恐れがあるとも主張。また、誤判定のリスクも指摘。編集者が人間の文章をClaudeで簡易校正した場合、数か月後に検出ツールに引っかかる懸念がある。

AI関連の「初期設定」は望まぬ形で強制される場合もある。Twitchがクリエイターを自動的にAI学習に参加させた例が象徴的である。一方でアンソロピック社は今のところ沈黙を保っている。同社は2兆ドル超の上場を準備中で、最強モデルの公開も見送った。

ホスキンソン氏は2026年を通じて、技術的なクレジットを巡りさまざまな論争を展開してきた。例えばイーサリアムがカルダノの台帳設計を盗用したと主張するなどが挙げられる。

日曜日午前時点で、リポジトリの「スター」数は4つだった。普及の度合いよりも、「モデルが署名した一文の所有権は誰にあるか」という問いこそが重要である。

jp.beincrypto.com でPhil Haunhorstによるオリジナル記事 カルダノ創設者、AnthropicのAI透かし除去ツールを公開 を読む